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カレンダー  :  市根井孝悦山の世界 母なる大地大雪山カレンダー  :  2008  : 


1 番〜 8 番を表示 (全 8 枚)


00.表紙 初夏の十勝連峰

00.表紙 初夏の十勝連峰

 午後、扇沼山経由でトムラウシ山を目指す。予定では南沼キャンプ指定まで行くつもりであったが日没になりやむなく三川台に幕営のはめになった。
 明日は晴れの予報だが夜半になり濃いガスが山全体を覆いどうも好天を望めそうもない。しかし明方になり急にガスが薄れ陽光がさし込む。私は慌ててシラフからで靴ひもを結ぶのもそこそこにテントを飛び出す。
 撮影ポイントに着くと、すでに十勝連峰が右に兜岩を配しその雄姿を現し、山肌は新緑と残雪が模様を描きまぶしいほどに輝き初夏の訪れを告げている。

01.厳冬の上ホロカメットク山(1・2月)

01.厳冬の上ホロカメットク山(1・2月)

 曲線的で女性的な山容の大雪山系にあって急峻で男性的な姿をみせる厳冬の上ホロカメットク山。私はこの景観を求めスキーで安政火口まで行き、そこでアイゼンにかえ夫婦岩への急斜面を登る。夫婦岩附近から望むD尾根は上ホロ・八ッ手岩そして化物岩が峰を連ねこれが大雪かと思うほどの迫力である。
 時おり噴煙が切れると、氷壁と登るロッククライマーの姿が見られ、それをハラハラしながら目で追っていると、時の過ぎるのを忘れるほどだ。ふと私は彼等の後を追い登攀したくなるような衝動にかられる。なぜ冬の山はこんなにまで私の心を引きつけてはなさないのであろうか?

02.ユコマンベツ川のフキノトウ(3・4月)

02.ユコマンベツ川のフキノトウ(3・4月)

 冬の佇まいを見せる旭岳を堪能した後旭川に向かう。一週間前通った時はまだぶ厚い雪渓で覆われていたが、急激に雪解けが進みユコマンベツ川の流れが顔を出している。散策すると、フキノトウが花を咲かせ、朝光を受けた緑葉が透き通るような輝きを見せている。日当りのいい場所ではザゼンソウ、エゾエンゴサクが散見され早春の息吹を感じさせる。
 いつものことだが、こんな時は、朽ち木を枕に思い切り手足を伸し大の字になるが、この時の幸せな気分は到底言葉に表現できるものではない。しかし梢を吹きぬける風はまだ冷たく、この北の大地への春の訪れがまだ少し先のことですョ!と告げているように思えた。

03.春を告げるユウトムラウシ川源頭(5・6月)

03.春を告げるユウトムラウシ川源頭(5・6月)

 大雪山はアイヌ民話に彩られた山である。それだけにこの山ほど雰囲気が漂うピリカメノコの姿が似つかう山はないと思う。
 いつの日であったか、ふとした切っ掛けで関西から訪れたという明るく気立ての優しい方を案内したことがある。三川台を下ると流れ一面にエゾノリュウキンカが咲き足の踏み場もない程である。彼女は花々に小柄な身を沈めいつまでもその場を離れようとしない。私は少し離れた所からそっと眺めていたが実に清々しい。彼女の若い感性は花の下で遊ぶコロポックルなどアイヌ民話に登場する妖精たちの姿を追い求め、メルヘンの世界をさ迷っているかのようだ。まるで夢の中のできごとのような光景である。
 あの日から月日が流れ、今、こんな他愛もないことが想い浮かぶのは大雪に住むという気まぐれな春の女神の悪戯であろうか?

04.キバナシャクナゲ咲く上ホロカメットク山(7・8月)

04.キバナシャクナゲ咲く上ホロカメットク山(7・8月)

 私が十勝岳に入る時よく利用するのは、安政火口より上ホロカメットク山と大砲岩のコルを直登し上ホロ避難小屋に至るコースである。
 この小屋は撮影行でよく利用するのだが、この年雪解けが早く稜線から小屋一帯にかけてキバナシャクナゲが山肌を覆い信じ難いほどである。長い間ここに通っているがこれ程の規模ははじめてであり、この新たな発見に気持が高ぶる。
 翌日、上ホロ、十勝岳山頂へと足を延ばす。山肌を残雪が幾重にも走り、新緑が雪にはえ清々しい初夏の佇まいを見せている。この季節の大雪はおおらかで北の大地の豊かさの象徴に思えた。

05.紅葉する山肌(9・10月)

05.紅葉する山肌(9・10月)

 日の出前、懐中電燈をたよりに銀泉台を発ち第一花園に向う。放射冷却で空気が澄んだせいであろう雲海上に雌阿寒岳・雄阿寒岳そして知床の山並までがくっきりと浮び上り、日の出の時を待っている。
 日が登り左の稜線に目をやると、ダケカンバとナナカマドが色づき朝光を受け山肌を原色に染めている。まさに銀泉台ならではの圧巻である。
 撮影を終え一息ついていると、足元をナキウサギが冬支度のためであろう忙しく動きまわっている。時おり発する甲高い声を聞き、あの愛くるしい姿を目で追っていると、いつしか自分が大雪山の懐に抱かれているような安らぎを覚える。

06.冬の樹林帯(11・12月)

06.冬の樹林帯(11・12月)

 冬、凍てつく寒さに耐えて立つ孤独な木々。この姿ほど感動的で美しく心に響くものはないと思う。
 私がこの木々の撮影でよく宿泊するのが吹上温泉(上富良野町)である。ここでは時おり素晴らしい出会いに恵まれ、人との触れ合いの大切さを肌で感じることもある。
 さて、私の仕事の大半は、自分のイメージ通りの自然条件を求め山中での孤独な生活に耐え待つことである。人間は孤独に徹すると、人間にとって何が最も大切であるかその本質がはじめて見え、人に対して真にやさしくなれる。
 この木々の前に立つと、その当り前のことをそっと教えてくれているかのようだ。

08.撮影マップ

08.撮影マップ

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